日本の中小企業では、現在約50%の事業(企業)が後継者不在という深刻な問題を抱えており、今後10年以内にはそのまま消滅してしまう可能性が高いとされています。これは日本の経済や地域社会に大きな影響を及ぼす重大な社会問題です。しかし、これまで学生にとっては「M&A」や「事業承継」は自分たちの生活やキャリアとは縁遠いものとして捉えられてきました。
ところが、こうした社会問題を認識すると、若い世代が将来的にM&A・事業承継に何らかの形で関わる可能性は十分に考えられます。実際に、自分のキャリアの選択肢としてM&A業界を検討する学生も増えてきているのです。
今回のイベントは、そうした背景のもとで「M&Aや事業承継」に関心を持つ大学生が集まり、知識や事例を学ぶことで、将来の進路の一つとして意識を深める機会を提供する目的で開催されました。
企業側にとっても、こうした形で学生と直接交流を図ることは、将来の人材確保や事業承継問題への一つのアプローチとして有効といえるでしょう。
イベントの流れ
1. 講師紹介
まずは、今回の講師である長坂 道広氏(日本M&Aセンター所属)より自己紹介が行われました。

M&A業界の最前線で活躍されている経験談を交えつつ、日本における後継者不足の問題や、今後10年以内に約半数の事業が後継者不在のまま消滅してしまうリスクの大きさについても触れられました。
参加者たちは、この深刻な現状に驚くと同時に強い関心を示していました。
2. 事業承継の解説
続いて、事業承継の市場や現状について詳しい解説が行われました。
・事業承継の市場規模と重要性
- 日本の中小企業の多くが後継者不足に悩んでおり、その割合は約50%にも及ぶ。
- 10年以内に大半が事業継続の危機を迎える可能性があるため、社会的にも大きな問題。
・事業承継の種類と進め方
- 親族内承継、M&A、従業員承継など、事業を引き継ぐ方法には複数の選択肢がある。
- 後継者不在問題を解消する上で、M&Aが重要な役割を果たしている。
・日本と世界の違い
- 海外の事業承継事情との比較や、日本特有の問題点・課題など。
・実際の事例紹介
- 成功事例・失敗事例を交えながら、企業がどのように事業承継を進めているかを具体的に解説。
・日本M&Aセンターの役割
- M&Aを通じて企業を支援する実態や、事業承継のサポート体制について説明。
これらの知識を得ることで、学生たちは「事業承継」というテーマが自分たちのキャリアにも関わってくる可能性を強く感じた様子でした。

3. 質疑応答
解説の後、参加者からの質問が次々と飛び交い、会場は大いに盛り上がりました。
特に、「将来のキャリアにM&A業界はどう関係してくるのか?」という問いには、講師が「企業の存続や地域経済を守るために、若い世代の力がますます必要とされてくる」と強調し、参加者たちの意欲をさらに高めていました。

4. フリートーク
講演後は、ピザや飲み物を片手に、講師や参加者同士で自由に会話を楽しむ時間が設けられました。
学生たちは、これまで縁遠いと感じていたM&Aや事業承継について直接質問したり、同じ関心を持つ仲間と情報交換を行ったりと、より深い交流が生まれました。

5. 終了
最後に、全員で集合写真を撮影し、イベントは盛況のうちに終了しました。
参加者の声
大学生は、早稲田大学、専修大学、明治大学や海外の大学からも参加してくれました。

大学生A
M&Aのことについて基本的な部分が理解できました。
中々自分から学ぶことにハードルが高い分野だと思っていたので、今回のイベントで勉強できて楽しかったです!

大学生B
起業する学生が増えている中、M&Aは今後学生にも知ってもらう必要性があるテーマであると感じた。多くの方と仲良くなれた良い機会だった。

大学生C
職業選択の幅が広がった。色々な人と交流ができて有意義な時間だった。

大学生D
非常に有意義なものでした。M&Aについて名前ぐらいしか知らないような状態でしたが、今回で少しは知れたと思います。様々な人と交流出来て、非常に有意義だった。
今後の展開
弊社の取り組み
弊社では、M&Aや事業承継の学びを深めるためのイベントを今後も開催し、学生が実際の事例を知ると同時に、企業との接点を持つ機会を増やしていきます。
企業向けイベント企画の募集
現在、弊社ではこれらのイベントに参加・協力いただける企業様を広く募集しております。興味をお持ちの方はぜひお気軽にお問い合わせください。
M&Aや事業承継は、日本の未来のビジネス環境を大きく左右する重要なテーマです。今回のイベントを通じて、学生が社会問題を認識し、M&Aや事業承継をキャリアの選択肢の一つとして考えるきっかけを得られたことは、大きな意義がありました。
今後も、私たちは学生と企業をつなぐイベントを継続的に実施し、より多くの人々に価値ある学びの場を提供してまいります。