2025年8月6日、TOMOSUBAは日本政策学校と学生団体SIRIUSとの協力のもと、学生たちと一緒に日本の政治や世界情勢を深く掘り下げるイベント「クオリア立国論 日本人の意識感覚から考える国際戦力」を開催しました。

今回のイベントは、若者たちに世界情勢や政治、世界に対する関心を高めてもらい、「自分ごと」として捉えてもらうことを目的に実施されました。

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イベントの目的と背景

近年、若年層の政治離れや世界に対する関心がなくなっており、関心を示さない現状があります。

そんな中、政治や世界情勢、世界の動きについての知識を深め、実際に政治家や専門家から直接話を聞くことができる貴重な機会を提供することが、今回のイベントの主旨でした。

私たちTOMOSUBAは、こうしたイベントを通じて、政治に興味を持っている学生が多いことを実感し、今後も同様のイベントを企画していく予定です。

イベントの内容は「クオリア立国論 -日本人の意識感覚から考える国際戦略 -」 をテーマに茂木健一郎氏・三枝英彦氏をお迎えする。
AIとIT革命でクオリアの価値を学び、世界的視点で日本を再発見し、進化する時代に人間の意識と政治を考える。

まずは三枝英彦氏の講演からです

「意識の科学」が未来を変える──三枝英彦氏が語る量子意識と次なる革命

2025年、脳科学者・三枝英彦氏が「意識の科学と未来社会」をテーマに講演を行った。インド工科大学・教授、アリゾナ大学・教授、インドで合計15年間、修行の生活を送りました。複数の研究機関に所属し、世界最先端の意識研究をリードしている。

三枝氏が注目を集めているのは意識的な理論だ。これは、「人間の意識は量子的な現象によって生じている」という仮説で、さまざまな博士や教授らとともに長年研究が進められている。現在、9つの研究テーマが進行中で、すでに「意識が生まれる脳の場所」や「全身麻酔のメカニズムの解明」などで成果が報告されている。

こうした研究は、意識や幸福の測定、精神疾患の非薬物的アプローチ、人間同士の量子レベルでのつながりの解明へとつながるもので、推定経済効果は何兆円にも及ぶという。

三枝氏は、これから訪れる「第5の産業革命」についても言及。これまでの産業革命が技術中心であったのに対し、第5革命は「意識・共感・倫理」を基盤とした人間中心の社会変革であり、次には「精神性とテクノロジーの融合」を目指す「第6の産業革命」が到来すると予測する。

現在、三枝氏は世界の一流大学の研究者と連携し、意識の科学を軸にした国際カンファレンスを主催。研究と社会実装を加速させている。

講演の最後、三枝氏はこう語った。

「私たちの意識はつながっている。悟りや共感といった精神的体験を科学が証明しつつある今こそ、人類は“意識の進化”という新しい段階に進むときです。」

科学と精神性の融合が、世界を変える鍵になるかもしれない――そんな希望に満ちた講演だった。

「生きがい」と「クオリア」が導く新しい価値観──茂木健一郎氏

脳科学者・茂木健一郎氏は、自著『生きがい』を中心に、日本文化の価値と現代社会への提言を語った。評価や成果を求める社会の風潮に対し、「生きがいは、他者の評価とは無関係な“内なる喜び”だ」と強調。

さらに、茂木氏は“クオリア”という言葉を用い、日本人が持つ感性の豊かさに注目。桜の開花に喜び、あんこの種類にこだわり、ラーメンの味を語り合う——こうした感覚の繊細さが、アニメ・料理・ゲームといった分野で世界を魅了している理由だと語る。

AI時代においても、人間が持つ“生きがい”はAIには真似できない価値源であり、「AIには評価を、私たちは生きがいを」と役割を分ける未来像を示した。

最後に茂木氏は、「態度(アティチュード)」の大切さを訴えた。勝敗よりも礼を重んじる相撲の文化に学び、軽薄さではなく誠実さと敬意ある振る舞いが、日本の新たな可能性を開く鍵になると結んだ。

なお、今回ご紹介した内容は、茂木健一郎氏や三枝英彦氏の講演のほんの一部にすぎません。

実際の講演は、言葉の一つひとつに重みと熱量があり、ユーモアを交えながらも本質を突く深い内容で、会場の多くの人の心に強く響くものでした。生き方や価値観に向き合う貴重な時間となりました。

質疑応答コーナー

※以下はイベントでの質疑応答の一部を要約したものです。

参加者1

AIが進化する中で、日本人としてどう世界と向き合っていくべきでしょうか?日本文化の精神性や“もののあわれ”をどう広めればいいか、先生の考えを聞きたいです。

茂木先生

ジブリ風の絵がAIでも人気なように、“日本的な美意識”には力があります。『源氏物語』のような“察する文化”や“受け入れる感性”は、日本人ならではの魅力。世界と戦うのではなく、日本の感性を活かし広めていく道があると思います。

参加者2

最近、悲しい事件も増えています。日本の“人間性”が劣化しているのでは?という声もありますが…

茂木先生
三枝先生

日本人は“意志の力”が強い民族。政治が変われば一気に良くなる可能性があると信じています。本物の芸術や文化に触れたとき、日本人の感性は確実に反応します。若冲の絵に腰を抜かす若者もいる。可能性は、まだまだあるんです。

参加者3

不安のない社会をつくりたいと思っていますが、そのために何が必要ですか?

茂木先生
三枝先生

不安は“呼吸の浅さ”と関係しています。心理的安全性や“安心できる場所”があれば、人は落ち着いていられる。社会や家庭にも、その“安全基地”をどう設計するかが大切です。

今回の質疑応答では、参加者の皆さんからの率直な問いかけに対して、茂木健一郎先生・三枝英彦先生がそれぞれの視点から深く、そしてあたたかく応えてくださいました。
“もののあわれ”に代表される日本人の感性や、“生きがい”と“クオリア”が持つ力、さらには瞑想や呼吸が導く内なる平穏について――
どのやりとりも、現代を生きる私たちにとって大切な問いを改めて考えさせられる時間となりました。

質疑応答は一部しか紹介できませんが、先生方の言葉から得た気づきは、それぞれの人生や日常の中で静かに息づいていくはずです。

企業様へ:学生向けの政治イベントを一緒に開催しませんか?

私たちTOMOSUBAでは、今後も学生と企業が一緒に取り組める政治や世界情勢などのイベントを開催していきます。政治や世界情勢に興味がある学生たちをターゲットに、企業様と一緒にイベントを実施したいと考えています。興味のある企業様は、ぜひお声がけください。若者たちが政治や世界情勢に興味を持ち、社会に積極的に参加できる環境を共に作り上げていきましょう。

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